商時代の鏡

 当館では秋季企画展「儀礼の器 商周青銅器」を3月12日まで開催中。商周時代の青銅礼器26点を展示しています。あわせて二里頭文化~商時代(紀元前17~13世紀)の銅鏡3面も関連資料としてご覧いただけます。今回はその中の1面、鋸歯縁鏡を紹介します。

鋸歯縁鏡 図2 商(殷)
鋸歯縁鏡は周縁がノコギリ歯のようになっているのが特徴。鏡背面の中央に小さな鈕(ちゅう)があり、後の時代に続く銅鏡の基本形が見られます。鏡背面は同心円状に区画され、矢羽根状の紋様と十字状の透かし孔が巡ります。
この鏡は透かし孔があり、鏡面が研磨されていません。姿見として用いたとは考えがたく、どのように使用したのか謎です。


商周時代はまだ制作される銅鏡の数が少なく、青銅礼器のように王が行う儀礼の場で用いられることもなかったようです。

ぜひ、この機会に青銅礼器とあわせてご鑑賞ください。