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精緻な細工 貼銀鏡の魚々子紋(ななこもん)は2万5千個

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銅鏡には、宝飾鏡(ほうしょくきょう)とよばれる装飾性の強い一群があります。
千石コレクションの宝飾鏡には象嵌鏡、貼銀鏡、螺鈿鏡、平脱鏡の大きく4種類があります。
そのうち、貼銀鏡には魚々子紋(ななこもん)と呼ばれる細工があります。
貼銀鍍金双獣双鳳紋八稜鏡(唐 図録244、千石氏蔵)
貼銀鏡とは、銅鏡の背面(裏面)全面に銀の板を貼り付けたもので、当時の高級調度品である銀器の制作技法が取り入れられています。

銅鏡に銀板が貼り付けられた合わせ目
貼り付けられた銀の板には、あらかじめ紋様が打ち出されており、この紋様の隙間に魚々子紋がびっしりと打ち込まれています。

小円が魚々子紋

さて、この魚々子紋、先端が筒状になった工具を一つずつ打ち込むことでできていますが、工具先端の直径は0.5mm程度しかありません。 そして、その数をこの鏡で概算したところ、約2万5千個と算出できました。 若干の重複するところがあるものの、ほとんど隙間がなく整然と並ぶように打ち込まれた魚々子紋を見ていると、職人の緊迫した息づかいが聞こえてくるようです。

銅鏡の基礎②「銅鏡は何でできている?」

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銅鏡は銅の合金でできています。

その比率は時代や地域によって異なっていますが、基本は銅、錫(スズ)の合金です。
この銅とスズの合金のことを「青銅(Bronze)」というので、正しくは「銅鏡」ではなく「青銅鏡」ということになります。

この合金の種類と比率については、正倉院宝物を中心に分析されたデータがあります。

それによると、正倉院の銅鏡は

主成分として「銅、スズ、鉛、ヒ素」、
微量成分として「鉄、ニッケル、銀、アンチモン、ビスマスなど」

があり、
主成分である元素の科学組成から

A群鏡:銅約70%、スズ約25%、鉛約5%
B群鏡:銅約80%、スズ約20%、ヒ素1~3%
C群鏡:銅、スズを主成分とし、鉛、ヒ素を少量含むが、成分比にまとまりがない。

の3つのグループに分けられるそうです。

そして、それぞれを他の銅鏡と比較検討した結果、
A群鏡=唐鏡
B群鏡=日本国産官営工房製鏡
C群鏡=日本国産私営工房製鏡
であろうと推定されています。

正倉院鏡の主要成分元素組成
しかも、このA群鏡の成分比は前漢時代(約2,200年前)の鏡からほぼ変わっておらず、極めて理にかなっていたようです。

それは、
①姿見であるため、できるだけスズの比率を多くし、明るい白銅色に仕上げる必要があったこと
②細かな紋様まで表現できること
③金属を溶かす温度をできるだけ低くすること
そして何よりも
④制作時に壊れないこと
⑤完成後も壊れにくいこと

こうした条件をクリアーするのがA群鏡の成分比であり、特にこの成分比を「中国鏡の標準的化学組成」と呼ばれています。

前回の「銅鏡の基礎①」でお伝えしましたように、表面は鏡として白銅色に仕上がっています。
ということは、裏側も同じ白銅色だったはずです。

発掘調査の出土品とはずいぶんイメージが違いますね。

<参考文献>
成瀬正和 1999「正倉院鏡を中心とした唐式鏡の化学的調査」『古代の鏡』日本の美術393 杉山洋編 至文堂

中秋の名月と月宮図鏡

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今年の中秋の名月は10月4日(水)だそうです。

♪ う~さぎ、うさぎ 何見てはねる
 十五夜お月様 見ては~ね~る ♪

わらべ唄の「うさぎ うさぎ」です。

「十五夜お月様」とは、月の満ち欠けの約半分である15日目が満月とされたことからきており、特に「中秋の名月」は旧暦で秋(7・8・9月)の真ん中の「8月15日」とされています。

さて、このわらべ唄にあるように、日本では月にはウサギがつきものです。

では、中国は?というと、それがわかるぴったりの鏡があります。

その名も「月宮図鏡(げっきゅうずきょう)」(または月宮鏡)。
「嫦娥奔月(じょうがほんげつ)」という月にまつわる伝説が表されています。

 月宮図鏡(唐 15.6cm)   鏡背面の全面を月に見立て、そこに月に関係する伝説を表しています。
構成要素は、①中央の樹、②右側の女性、③右下のウサギ、④左側の女性、⑤左下のカエル、の5つです。

① 中央の樹は、月に生えるという「桂樹」です。しかし、日本語でいうところの「桂樹」や「桂」とは別物だそうで、日本で言うキンモクセイ、ギンモクセイにあたるのだそうです。
この月に生えているという「桂樹」は、高さが100mを超え、切り倒してもすぐに再生するという恐るべき回復力があるそうです。
別の伝説によると、かつて呉剛という男がこの樹を切るという罰を与えられたのですが、樹は切る端から再生したため、永年に渡ってつらい仕事を続けなければならなかったそうです。

② 右側の女性はいろいろと説がありますが、西王母(せいおうぼ)と考えました。西王母は西方の山に住む女仙で、不老長寿の術を得意とします。
非常に有名な女仙で、二千数百年前から信仰されており、多くの鏡にも登場するほか、『西遊記』に登場したり、日本でも能の演目「西王母」として取り上げられたりしています。

③ 右下のウサギは、臼と杵(きね)で何かをつくっています。日本では「月にいるウサギは餅をついている」というのが定番ですが、中国では「白ウサギが不老長寿の仙薬をつくっている」と考えられています。
白兎(はくと)や玉兎(ぎょくと)とも呼ばれています。

白兎(玉兎)
④ 左の女性は羽衣をまとい、左手には容器を持っています。この女性は「姮娥(こうが)」あるいは後に「嫦娥(じょうが)」と呼ばれるようになった方で、弓の名人である「羿(げい)」の奥様…

鏡子の鏡通信⑩「サル? ネコ? カンガルー?」

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10月ですね。いよいよ“食欲の秋”到来です!!!
それはさておき・・

前回登場した、鏡子のオススメ『五獣紋鏡』!
そうです、ファイブモンキーズです(^o^)/


このコたちに対して「サルには見えない」と、周りで論議になっておりまして・・・
「じゃあ、何に見えるの?」

「どう見てもカンガルーじゃねっ?」
「いや、ネコでしょ!」

・・・そう言われると、そう見えてくる・・・


でも、わたし的にはやっぱり「ファイブ モンキーズ」なんですけどね(^_-)-☆

ひょっとすると、これが正解!ってないのかも・・・
結局、ぱっと見た時の直感!
その人がどう受けとめるか、ですよね(#^.^#)

鏡の中にいる動物たちや、草花、昆虫たち・・

あなたには、どんなふうに見えますか?