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即位礼にまつわる鏡

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10月22日は今年限りの祝日、天候も良く古代鏡展示館も賑やかな1日となりました。 この日は天皇が国内外に即位を宣言する「即位礼正殿の儀」が行われました。今回は、これにまつわる鏡のお話。 即位礼の原型は少なくとも8世紀代までさかのぼるそうです。 天皇が即位を宣言する舞台となったのはが「高御座(たかみくら)」。このたび用いられたのは、大正天皇即位の際に古文書をもとに復元されたもの。壇の上に8本の柱を立て、八角形の天蓋(屋根)をのせる構造です。テレビではほとんど映りませんでしたが天蓋の頂上と隅に大小の鳳凰を配し、各辺の軒先に鏡が懸けられています。 寺院などでは、光の反射によって祭礼の荘厳さを高めるために同様に鏡を懸ける例が見られます。古代においては、儀礼の場で天皇の権威を高める効果が鏡に期待されていたのかもしれません。 22日の朝には、皇室行事として、天皇が皇祖神を祭る賢所(かしこどころ)など宮中三殿に即位礼を行うことを奉告する儀式「即位礼当日賢所大前の儀」が行われました。 賢所にはご神体として三種の神器の1つである「八咫鏡(やたのかがみ)」の形代(かたしろ:複製品)が納められています。「八咫鏡の形代」は儀礼に現れませんが、それを見守る特別な存在でした。 最後に、この秋県立フラワーセンターのコレクションに加わった洋ランを紹介します。 フラワーセンターが姉妹提携しているシンガポール植物園から贈られた洋ランの1種デンドロビウムでその名も「マサコ・コウタイシ・ヒデンカ」 平成5(1993)年、現天皇皇后両陛下のご成婚を記念して命名された(3つの品種の中から雅子様が選ばれた)もの。国内では宮内庁とフラワーセンターにしかない品種です。 「マサコ・コウタイシ・ヒデンカ」は10月末ごろまでフラワーセンター大温室で展示しています。