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増築工事だより

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 春もいよいよ本番、フラワーセンターは春の花が咲き揃い、賑わいも戻ってきました。 昨秋から長らく休館していた古代鏡展示館ですが、再オープンの日が 4月29日(木祝) に決定しました。これにあわせて新展示室オープン記念展「中国王朝の粋美」を9月12日(日)まで開催します。 工事現場を囲っていた仮囲いが取り外されました。 建物は最後の仕上げ。正倉院の校倉造をイメージする外観に仕上げています。 現在の展示室(手前)から新しい展示室を結ぶ廊下も繋がりました。 これまで工事の状況をお伝えしてきましたが、その間も学芸員は新しい展示の準備を着々と進めてきました。 新たに展示する作品の撮影をしています。 撮影台上の作品は、古代中国の楽器である 鐃 (どう) X線写真を撮影し、作品の内部の状況や細部の技法を調べています。 古代鏡展示館の春ももうすぐです。

人らしく生きる

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  三楽鏡 (唐 図録286) 八花鏡で鈕をはさんで2人の人物、上に三行の傍題「孔夫子 問曰答 栄啓竒」、下に1本の樹木が表現されています。 左の人物は中国の思想家として知られる 孔子 、右の人物は 栄啓竒 (えいけいき)。『列子』天瑞篇に記された二人の問答が題材です。この故事は日本にも伝わり、『今昔物語』や『宇治拾遺物語』にも記されるほど有名なもの。シンプルな表現でも唐の時代の人々は内容を理解できたようです。 弟子を連れ泰山に遊ぶ孔子はみすぼらしい老人、栄啓竒に出会います。 孔子が人生の楽しみを問うたのに対し、栄啓竒は「万物の中で最も貴い人として生まれたこと、人の中でも貴い男子として生まれたこと、90歳の長寿を得たこと。」と答えました。これが鏡名となる「三楽」の由来です。 現代社会では、2つめの楽しみは「アウト!」の判定。男尊女卑として完全に否定されていますが、当時は当然のことと受け入れられていました。 一方で、秩序厳しい時代に、貧しくとも俗世を離れて自由に生きる栄啓竒の姿は好ましい人物として受け取られていたようです。 価値観は時代とともに変化しますが、人が人らしく生きていくことはいつの時代でも不変です。

増築工事だより

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 3月に入り、古代鏡展示館の増築工事も佳境に入っています。 いくつもの工事が同時に行われ、館内は喧噪に包まれていましたが、ここ数日は静けさが戻ってきました。作業ヤードも片づきつつあり、工事の終わりが近いことを感じます。 新しい展示棟が姿を現しました。この後現在の古代鏡展示館(右奥の建物)と似た外観に仕上げられる予定です。 新しい展示室への廊下。黒を基調とした壁や天井になる予定です。 新展示室に展示ケースを設置しています。これから展示室内の本格的な工事が始まります。 工事は3月下旬に完成の予定。これから最後の追い込みにかかります。