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知音

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先日、兵庫県立北条高校2年生の皆さんに見学いただきました。展示している鍍金同向式神獣鏡を見て「鍾子期(しょうしき)がいる!」と喚声をあげる生徒さん。

鍍金同向式神獣鏡(図録番号146)
中央が伯牙。左側が鍾子期、右側は侍者と考えられている
鍾子期は神獣鏡に登場する神仙の中では脇役的存在なのに、なぜ知っているの?とこちらもびっくり。先生に伺うと漢文の授業で「知音」(ちいん)を習ったから、とのことで納得しました。

鍾子期は、琴の名手である伯牙(はくが)と一組の図像として表され、陰陽の調和を助けるために琴を弾く伯牙の傍らで耳を傾けています。鍾子期は伯牙が演奏中に思い描いたことを悟ることができたそうで、伯牙のよき理解者として親しく交際していました。鍾子期が亡くなると、伯牙は演奏するに値する人がいなくなったと悲しみ、琴を壊して二度と手にすることはありませんでした。
この故事に由来して、「知音」とは、よく心を知り合っている人や親友のことを意味します。(『広辞苑』より)

高校生の皆さん、鏡の中には皆さんご存じの物語が表現されたものもあります。「知音」のようなきっかけで古代鏡に親しんでもらえれば、スタッフとしても嬉しいです。
フラワーセンター、古代鏡展示館ともに高校生以下は入園・入館料無料です。ぜひお友達と一緒にお越し下さい。

ブドウがいっぱい

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フラワーセンター内を歩いていると、大温室脇の木漏れ日の小道でブドウが実っているのを発見しました👀


 ここ兵庫県加西市は、ブドウの産地。
 市内にはブドウ畑が広がり、これからの季節、あちこちの道沿いでブドウの露店が営業をはじめます。

 ところで、古代鏡展示館では、たわわに実る葡萄を いつでも ご覧いただけるのをご存じですか?
海獣葡萄鏡(図録番号225)
 唐代に多く制作され、千石コレクションの中で最も数が多い海獣葡萄鏡は、その名称が示すとおり、異国の動物である獅子をモチーフにした「海獣」と「葡萄唐草」が主紋様のひとつになっています。

 「葡萄唐草紋」は、紀元前4世紀頃にギリシャで生まれ、西アジアを経て中国へ伝わりました。当時の中国では、葡萄は大変珍しく、たくさんの実をつけることから多産と繁栄を象徴するおめでたい植物として、鏡の紋様にあしらわれていたのです。

 当館では、これら海獣葡萄鏡をじっくりご覧いただく夏季スポット展「海獣葡萄鏡の世界2」を、7月19日(木)から9月11日(火)まで開催します。

 この夏、涼しい展示室内で、唐代の人々が好んだ葡萄をぜひご堪能下さい!


 お帰りの際は、お土産に加西産のブドウもお忘れなく☺




本日はお日柄もよく

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関東では例年より早く6月で梅雨明けしましたが、全国的には梅雨まっただ中、湿度も高く1年の中でも過ごし辛い時期です。しかしヨーロッパの6月は気候が穏やかで、ジューンブライド(6月の花嫁)の季節。この時期に結婚したカップルは幸せになると信じられています。(諸説あります)
結婚式といえば、「本日はお日柄もよく・・・」とお馴染みの挨拶のように大安吉日を選んで婚礼を行うのが当たり前でした。
古代中国でも吉日を選んで結婚式の日取りを決めていたことがわかる鏡があります。

画像鏡(後漢 図録番号146)と「良時日衆大富」の銘 画像鏡の外圏の銘帯には、「良時日衆大富」(時日良ければ、家は大いに富まん)と記されています。「吉日を選び、この鏡を用いて婚礼を行えば、新郎新婦のご両家は富み栄ます」という意味。吉凶の巡りは宇宙の法則によるので、その法則に従い婚礼の日取りを決めれば新郎新婦ご両家に幸福が訪れるという効能書です。効能を信じて、この鏡を手に結婚したカップルの未来はどうだったのか気になります。
今回紹介した鏡は、企画展「吉祥の図像 鏡に表された願い」で展示中です。

ところで、この鏡、当初は西王母と東王父の図像があったことが銘からわかるのですが、出土時に破損し西王母の像があるべき部分が失われ、樹脂で修復されています。一見するとオリジナルの部分と区別ができない巧みな修復の痕跡もご自身の目で確かめてみて下さい。
画像鏡(図録番号146)X線写真 右上が東王父の図像、黒い部分が欠損し補修した箇所