「こいのぼり」と「羽の生えた魚」

5月5日は子供の日、ということで、兵庫県立フラワーセンターではたくさんの鯉のぼりが空を舞っています。
 


それにちなんだ展示品はないかと探しましたところ、羽の生えた魚が表された銅鏡がありました(図録202)。
鏡の名前は「海獣葡萄鏡」。約1,300年前の唐の時代に制作された作品で、海外の獣と西域の葡萄が表された異国情緒満載の鏡です。羽の生えた魚は外側の区画にあり、他にも天馬、空を舞う天女、胸の筋肉が盛り上がった鬼神、首の長い鳥など、他の海獣葡萄鏡にはない13種の動物等が表現されています。
羽の生えた魚はインド神話の怪魚「摩迦羅(マカラ)」であるといわれています。マカラは大きな口に牙、翼を付けた複合獣で表され、口から吐き出す大乱流(カリパクシャ)によって世界を活性化させると信じられました。日本では、古くは藤ノ木古墳の馬具に見られるほか、仏教寺院にも描かれています。


鯉のぼりと直接関係するものではありませんが、空を舞う鯉のぼりを見て、ちょっとご紹介してみたくなりました。