知音
先日、兵庫県立北条高校2年生の皆さんに見学いただきました。展示している鍍金同向式神獣鏡を見て「鍾子期(しょうしき)がいる!」と喚声をあげる生徒さん。 鍍金同向式神獣鏡(図録番号146) 中央が伯牙。左側が鍾子期、右側は侍者と考えられている 鍾子期は神獣鏡に登場する神仙の中では脇役的存在なのに、なぜ知っているの?とこちらもびっくり。先生に伺うと漢文の授業で「知音」(ちいん)を習ったから、とのことで納得しました。 鍾子期は、琴の名手である伯牙(はくが)と一組の図像として表され、陰陽の調和を助けるために琴を弾く伯牙の傍らで耳を傾けています。鍾子期は伯牙が演奏中に思い描いたことを悟ることができたそうで、伯牙のよき理解者として親しく交際していました。鍾子期が亡くなると、伯牙は演奏するに値する人がいなくなったと悲しみ、琴を壊して二度と手にすることはありませんでした。 この故事に由来して、「知音」とは、よく心を知り合っている人や親友のことを意味します。(『広辞苑』より) 高校生の皆さん、鏡の中には皆さんご存じの物語が表現されたものもあります。「知音」のようなきっかけで古代鏡に親しんでもらえれば、スタッフとしても嬉しいです。 フラワーセンター、古代鏡展示館ともに高校生以下は入園・入館料無料です。ぜひお友達と一緒にお越し下さい。