立体画像の表現力

古代鏡展示館(加西市)には、鏡の細かな紋様を観察できるように、主な作品の画像を検索し、拡大するコーナーを設けています。

そこで表示される画像には、通常の写真以外に、X線透過画像(いわゆるレントゲン写真)や立体画像があります。

そのうち立体画像には、対象となる作品の色や光沢に左右されることなく、表面の凹凸の情報を画像化できるという特長があるので、凹凸によって紋様が表現された銅鏡を観察するには非常に有効な手段となり、作品を記録、保存することにつながります。

紋様が見やすいだけでなく、同じ原型から複数の鋳型を作成し、それぞれの鋳型から制作された同型の銅鏡を比較したり、角度を変えて紋様を観察したりできます。(現在、展示室に設置してある機械のシステムでは立体画像を拡大、縮小したり、角度を変えて観察することはできません。)

それぞれの画像がもつ特長を活かすことで、細かな図像や、同型鏡の研究、作品の保存管理にも役立てることができます。

 
海獣葡萄鏡(図録221) 写真

 
同上 立体画像
 
 
 立体画像 部分
 
 
同上 X線透過画像