令和5年度秋季企画展 「方格規矩鏡 ―鏡に広がる天円地方の宇宙―」が開幕しました。

 みなさま、お元気でお過ごしでしょうか? 


現在、古代鏡展示館では、

令和5年度 秋季企画展 「方格規矩鏡 ―鏡に広がる天円地方の宇宙―」 が開幕中です。

※企画展の詳細はコチラの展示館ホームページ

秋季企画展開幕中の古代鏡展示館入り口

展示館の外観。黄色と紫のバナーが目印です。

当館が所蔵する千石コレクションには、方格規矩鏡が多数あり、今回初めて一堂に展示します。(※期間中に一部展示替えします。)

方格規矩鏡のみの企画展は、当館ならではのニッチな展示といえるでしょう。


下の画像は当館が所蔵する方格規矩鏡の中でも、紋様がはっきり見える方格規矩四神鏡です。※少し明るく画像調整しています。

方格規矩四神鏡(図録131)

そのクリアな図像を是非実物で確認していただきたいです!

そして、上の写真と同じ鏡ではないですが、今回の企画展のチラシ・ポスターを大きく飾る方格規矩四神鏡については下の画像のように細かく展示解説しています。※銘文の解説もしています。

方格規矩四神鏡の方格規矩紋と様々な図像

上の画像の黄・緑・青・赤色塗り部分が方格規矩紋です。

また、いろんな瑞獣や仙人たちの図像が表されています。

四神のようなメジャーな図像もありますが、まだまだ何を表しているのかよく分かっていない瑞獣たちもいっぱい、謎だらけの方格規矩四神鏡です。

(この画像は、当館や考古博物館本館で配布している博物館NEWS32号にも掲載しています。)


方格規矩鏡は、日本の弥生・古墳時代の墳墓からも出土していますが、そこに表された方格規矩紋は、日本の文化にはあまり馴染みがありません。

幾何学的で、不思議な不思議な方格規矩紋・・・。

方格規矩紋にはどんな意味があるのでしょうか?


本展示では、鏡に表されている方格規矩紋(の謎)を中心に、図像、銘文などに焦点をあてつつ、方格規矩鏡の様態やその関連文化について紹介しています。


そして、実は!

方格規矩鏡の関連文化として、方格規矩紋にまつわる珍しい作品を今回借用して展示することができました。

人物形鎮の展示状況

六博(りくはく)という、双六(すごろく)に似た古代中国のボードゲームに用いられたと考えられている、人物の形をした鎮(=重り)です。

方格規矩紋とどんな関係があるのでしょうか?


もちろんインターネットで調べたらすぐにわかるのですが、

担当学芸員としては、是非展示解説で答えを探して欲しいところです。


人物形鎮は4体1組となっており、雰囲気の異なる2組(計8体)を展示しております。

右手を前に差し出す人物形鎮

非常にユーモラスな仕草と表情豊かな造形をしており、よく観察すると味わい深い面相をされています・・・・。

上の写真のセットとは別のもう一組も展示してます。

右手を挙げる鍍金人物形鎮
(こちらに向かって少し微笑んでくれているのでしょうか)

こちらの人物形鎮も良いお顔されてます。

最近の大規模なモンゴルロケで話題を集めたテレビドラマ(2023年7月期)に出演して現地警察を演じた外国人俳優の方になんだか似ているような気がしてくるのは、気のせいでしょうか?

4体揃った彼らは、日本ではなかなか直接お目にかかることがないかもしれません。

是非この機会に御覧下さい。



◆講演会のお知らせ◆

岡村 秀典(京都大学名誉教授、黒川古文化研究所所長)

 「方格規矩四神鏡から神獣鏡へ――陰陽調和と辟邪の願い」


日時:令和5年10月7日(土)13:30~15:00

場所:古代鏡展示館2階会議室

定員:20名(要予約)

対象:中学生以上

※要予約:TEL:0790-47-2212 (9月2日より受付開始)


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