鏡の重さ

 当館の銅鏡の展示は、作品をじっくりご覧いただけるように工夫しています。それでも皆様にお伝えできないのが鏡の重さ。時折見学される方から重さについて質問をいただきます。

実際に銅鏡を持って頂くことはできませんので、残念ながら重さは実感できません。

今回はお話しだけで我慢して下さい。

鋸歯縁鏡(商 図2)径16.3cm 重さ387g

鍍金方格規矩四神鏡(新 図123)径16.4cm 重さ624g

重列式神獣鏡(後漢 図141)径16.6cm 重さ796g

海獣葡萄鏡(唐 図221)径16.6cm 重さ1,162g
※いずれも現在展示中です

写真の4面の鏡は時代順に並べています。径はどれも16㎝台で銅鏡としては標準的な大きさ。
大きさはほとんど同じですが重さは全く異なります。最も古い鋸歯縁鏡は透かしが入るとはいえ、重さは重列式神獣鏡の約1/2、海獣葡萄鏡の約1/3しかありません。
写真ではわかりにくいですが、これらの鏡は厚さが異なり、そのために重さ、言い換えると使用する青銅の量に違いがあります。
まだ金属が希少だった商時代の鏡は厚さも薄いですが、時代とともに金属の採掘や精錬技術が向上します。その結果、鏡に用いる青銅の量も増加し、厚さも増していきます。
ご見学の際は鏡を上からだけでなく横方向からも観察し、厚さの違いを比較してみましょう。

方格規矩四神鏡(レプリカ) 径20.0cm 重さ約930g
当館エントランスホールには、銅鏡の重さを体験できるコーナーがあります。
青銅製のレプリカの鏡です。ぜひその重さを感じて下さい。