明けましておめでとうございます
令和3年を迎え、皆様いかがお過ごしでしょうか。
新年は新型コロナの影響で、これまでにない新しい生活様式で過ごす1年になりそうです。
古代鏡展示館は増築工事のため、ひきつづき休館中。例年にない静かなお正月でした。
工事もしばらくお休み。年末年始の寒波で仮設水道栓が破裂するアクシデントも・・・
展示室は閉まっていますが、エントランスでは花クイズラリーのポイントで当館をPRしました。花クイズラリーは、フラワーセンターが正月などに行う人気の企画。当館も毎回参加しています。
今回、クイズに用いた鏡(十二支紋鏡)は県立考古博物館で1月16日(土)に開幕する「ひょうごの遺跡2021」に十二支を描いた古代中国鏡2面とともに出張展示します(3月14日(日)まで)。併せて古代鏡展示館の紹介も行います。
お正月、床の間を見ると、三足の香炉がありました。
香炉は茶道や華道では見慣れた器物です。
茶道・華道・香道などに用いられる器物の中には、古代中国で用いられた青銅器を摸したものがあります。三足の香炉も形のルーツは鼎(てい)などの青銅器でした。
青銅鼎(てい)
泉屋博古館『泉屋博古 中国古銅器編』から引用
鼎は、肉などを煮てスープをつくる鍋です。ただし、王が神を祭る儀式に用いる器で、日常の調理具ではありません。祭と政治が一体となっていた古代中国では、青銅器は特別な器でした。
時代とともに儀式は変化し、それととも器の盛衰がありました。
そして戦国時代(前453~前221)頃を境に青銅器を用いた伝統的な儀式は衰退し、終焉の時期を迎えます。武器や日常の道具も鉄製品に置き換えられました。ただ銅鏡だけは例外的にその後も制作が続き、用いられた青銅器でした。
後の時代、古代中国の精神・思想を象徴するものとして、青銅器を模した容器がつくられます。そして日本へ伝わり、茶道・華道の器物として今日用いられています。
令和3年は、古代鏡展示館にとって新しいスタートの年となります。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。