鏡の値段(後漢)

前回、日本の江戸時代における鏡の普及について落語からお話しました。
今回は、中国の後漢時代(25~220年)のお話です。

結論から言いますと、
中国で、永平7(64)年に制作された鏡(直径13センチ、重さ300gほど?のブランド品)は、
およそ2ヶ月分の食費にあたり、
下級役人でも十分買うことができた、
と考えられています。

事実、漢代のお墓を発掘すると、およそ二人に一人は鏡が副葬されていることがわかっていて、漢代(特に後漢代)には鏡が化粧道具としてごく一般的な日用品であり、普通の副葬品だったことがわかっています。



<参考文献>
孔祥星・劉一曼(訳:高倉洋彰・田崎博之・渡辺芳郎)『図説 中国古代銅鏡史』海鳥社
岡村秀典2017『鏡が語る古代史』岩波書店