さまざまな龍
令和6年の辰年もはや1/4が過ぎました。今回は、当館で展示している、皆様がイメージする姿の龍とは少し違った龍をご覧いただきましょう。
金緑松石象嵌銅剣(戦国時代)に表わされた龍
第1展示室にて展示中
戦国時代~漢時代の銅剣に象嵌(ぞうがん)された龍の姿。一見すると犬のような姿ですが、3千年以上前、商周時代の青銅礼器に表わされた龍紋を継承したような姿をした龍です。
蟠螭紋透彫鏡(図録21)の中の「螭(ち)」
第1展示室にて展示中
鏡名となっている「蟠螭((ばんち)」の「蟠」は、「わだかまる」とも読み、とぐろを巻くという意味もあります。一見するとミミズが群れているような立体的な紋様ですが、これも龍の一種。「螭」とは角のない幼い龍のこと。写真をよく見ると丸みのある小さな頭がたくさん確認できます。
龍は中国で生まれた想像上の生物ですが、その歴史は古く、新石器時代(約6,500年前)に貝殻を用いて龍のような動物の図像が表現された例が知られています。以来聖なる動物として様々な姿で銅鏡をはじめとする器物に表現されています。ここで紹介したのはほんの一例。展示作品の中から様々な龍の姿を探してみましょう。