最近注目の鏡
最近、ある鏡に複数の出版社から続けて問い合わせがありました。
その鏡は月宮図鏡です。
月宮図鏡(唐 図録289)
円い鏡形を満月にみたて、当時の中国の人々が月にあると考えた事象、伝説を描いています。下部には、左に蟾蜍(せんじょ:ひきがる)、右に不老長寿の薬をつくる玉兎(ぎょくと)の姿があります。
出版社の方の話を聞くと、平安時代から鎌倉時代の絵巻『鳥獣戯画』に関連させてウサギとカエルが表された鏡を紹介する、とのことでした。。
『鳥獣戯画』は、ウサギとカエルの相撲の場面が有名ですが、擬人化された動物などが生き生きと表現され、日本で最も有名な絵巻、日本最古のマンガとも言われています。この中でウサギとカエルが繰り広げる場面は、月の世界を表したもの、という学説もあるようです。
月宮図鏡は新展示室オープン記念展にて展示の予定。『鳥獣戯画』に描かれたウサギとカエル、鏡に表された月のウサギとカエルに関連はあるのでしょうか。ぜひお確かめ下さい。