銅鏡の基礎①「どこが鏡?」

 銅鏡に関する基礎的なお話をするシリーズです。

 先ほども電話でのご質問で、「銅鏡はどこで顔を映すの?」というのがありました。

 展示室でも、来館者から
「真ん中の半球形の部分で映す説」
「鏡ではなく、鏡箱のふた説」
「水をはって水鏡にする説」
などなど、様々な説が出ています。

 実際はといいますと、銅鏡には裏表があり、写真や展示でよく見かけるのは鏡の裏側になります。
裏面、背面、鏡背面などと呼ばれています。
(逆に表側は、表面、鏡面などと呼ばれています。)

鏡(図録108 異体字銘帯鏡)の鏡面
現在、表側を向けて展示中(9/7~12/19)
当時はもっと輝いていたが、今は曇っている。
 
同じ鏡の鏡背面(裏面)


 「な~んだ」と思われるかも知れませんが、現代の鏡の多くは壁にかけられており、「裏側」という発想がなく、気づきにくいのかも知れません。

 「じゃあ、なぜ展示室では裏側ばかり見せているの?」と思われるかもしれませんが、表面にすると、どれもツルツルの同じようになってしまうからです。鏡の特徴をわかるようにするには裏向きにして展示せざるを得ないのです。

 当館では復元鏡を制作し、手にとって鏡の裏表を見ていただけますし、重さも感じていただけます。 一度、復元された銅鏡に顔を映してみてはいかがでしょうか。