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5月, 2017の投稿を表示しています

読売テレビ「ミヤネ屋」の取材

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5月15日(月)に、読売テレビ「ミヤネ屋」さんが取材に来館されました。 取材の対象は「鏡」・・・ではなく、「耳かき」。当館では鏡を含む化粧道具一式(櫛、刷毛、漆容器など)を展示していますが、その中に耳かきが含まれています。   【図録343】 およそ2,200年前の前漢時代のものと推定されており、長さが7センチほどあります。青銅に鍍金されたもので、先端のさじ状部分の根元に獣面のような装飾があります。根元はソケット状になっており、木製の柄がはめられていた可能性が考えられます。 放送によると、耳かきはあまり奥の方までしない方がよいとのこと。古代人の感想を聞いてみたいものです。

「こいのぼり」と「羽の生えた魚」

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5月5日は子供の日、ということで、兵庫県立フラワーセンターではたくさんの鯉のぼりが空を舞っています。   それにちなんだ展示品はないかと探しましたところ、羽の生えた魚が表された銅鏡がありました(図録202)。 鏡の名前は「海獣葡萄鏡」。約1,300年前の唐の時代に制作された作品で、海外の獣と西域の葡萄が表された異国情緒満載の鏡です。羽の生えた魚は外側の区画にあり、他にも天馬、空を舞う天女、胸の筋肉が盛り上がった鬼神、首の長い鳥など、他の海獣葡萄鏡にはない13種の動物等が表現されています。 羽の生えた魚はインド神話の怪魚「摩迦羅(マカラ)」であるといわれています。マカラは大きな口に牙、翼を付けた複合獣で表され、口から吐き出す大乱流(カリパクシャ)によって世界を活性化させると信じられました。日本では、古くは藤ノ木古墳の馬具に見られるほか、仏教寺院にも描かれています。 鯉のぼりと直接関係するものではありませんが、空を舞う鯉のぼりを見て、ちょっとご紹介してみたくなりました。

「五月五日造」の鏡

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「五月五日造」の鏡     現在、古代鏡展示館で展示されている鏡に「五月五日造」の文字がある鏡があります。隋~唐の時代(1,300年前)の八瑞獣紋鏡(八匹のおめでたい獣が表された鏡)なのですが、本当に五月五日に造られたのではなく、鋳造にとって縁起がよい日を記し、鏡の品質をアピールすることに目的があったようです。 五月は旧暦では夏至を含む夏、「五」は五行説(万物は5つの要素から成るという説)で火に通じることから、「五月五日」は熱・火という鋳造にとって縁起がよい日付であったようです。 兵庫県では、養父市の箕谷2号墳から「戊辰年五月」(608年か)と象嵌された鉄刀が出土しています。この「五月」についても、火を扱う鍛冶に縁起がよい日として記された可能性があります。